こんにちは!
今回はパルスの少し変わった仕事を紹介したいと思います。
パルスではこんなこともやってるんだ、という感じで読んで頂けたらありがたいです。
関西の老舗名門進学校が75周年事業として校舎建て替えが計画され、同時に長年使わて来た木製の教室机などを入れ替えるとのお話が舞い込んで参りました。
木製の机はかれこれ70年余り使いこまれているものですが年々生徒の体格も大きくなり、最近では低学年の教室でのみ使われておりました。
しかし今回の建て替えと同時に机はすべて金属製にリニューアルされることになり、木製のものは東ティモールの姉妹校へ輸出され第二の道を歩むことになりました。
この机は75年前の学校開設当時、ドイツから赴任されたマイスターの称号を持つ修道士さんがこつこつと1台づつ手作りで作り上げられたもので、生徒さん達にしてみれば必ず一度は使ったことのある、身体の一部のような思い出深い存在である訳です。
すべて海外に送ってしまうのは惜しいとのことで何か記念になるものにカタチを変えて残したいと学校から弊社にお話しを頂きました。
いろいろ提案させて頂いた結果、この材料を使って忠実なミニチュア机を作り、多くの卒業生OBの皆様へお渡しすることとなりました。
まずは学校から実物の机をお借りし、入念に採寸作業からのスタートです。
机は長年使用の歴史を物語る小キズはあるものの大きなものも無く、長い間大切に使われてきたことが良く分かります。
材料は良質の硬いナラ材で作られており非常に重く頑丈です。
釘などは殆ど使われておらず全てホゾ組み工程だけでしっかりと作られています。
机の端にはナンバーも刻印されており本当に1台づつ大切に管理されていることが良く分かります。
採寸では困ったことがありました。
通常の家具材などでは直角が出た部分が多いので製作図面への落とし込みは容易なのですが、今回の机は構造材の角度などは90度で組まれている部分が非常に少ない状態です。
例えば机天板を支えるV字形の側柱の角度も微妙ですし、椅子の背板柱も微妙なカーブです。椅子側板なども微妙に90度からずれた角度で形成されています。すべて3点計測して図面へ忠実に落とし込んだのでかなりの時間を要しました。
いよいよ実物解体開始です。
机天板部分の板は一番大きい部分なのでミニチュアでも同じ場所に使います。
ミニチュア用には厚すぎるため2枚におろして使いました。
図面から作った治具のサイズに合わせて部品をカットし、小さな部品を組み立てて行きます。
写真では実物との違いが判らないくらいです。座板の1枚1枚まで忠実に再現しています。
元のシリアル番号も付けて完成です。元のナラ材の木目もキレイに出ています。
たくさんのOBの皆様のもとで思い出と共に大切に保管されることでしょう。
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